BCP、作ってますか?

経営コンサルタントコラム

2020年11月15日

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を奮っています。

日本でもクルーズ船のクラスター騒動から始まり、4月には緊急事態宣言が発せられ、一旦は落ち着いたものの、また最近増加してきています。PCR検査での陽性者数は、緊急事態宣言のときの倍以上となっています。(検査数が増えた、というのもあると思いますが)

 

感染者数が多いフランスでは前回につづきロックダウン、外出禁止政策をとっているようです。日本においても同様に、緊急事態宣言からの外出自粛という可能性もゼロではありません。

 

外出自粛となれば、そもそも出勤もままなりません。前回の緊急事態宣言下では、慌ててテレワークなどで対応したことは記憶に新しいところと思います。

 

怖い話ですが、もし職場がクラスターなどになってしまえば、業務遂行不能に陥り伴い事業は停止。ついては売上減少からの資金繰り難で倒産、ということも十分考えられます。この状況で何も手を打たなければ、むしろ現実感のある想定かもしれません。

 

備えあれば憂い無し。

このような事態が起きることに備えておけば初動が早くなり、ダメージをより小さくできます。

 

そのためのツールとして、BCP(事業継続計画、Business Continuity Planの略)というものがあります。一度は聞いたことがある言葉とは思いますが、説明をすると、

 

『BCPとは、緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために策定します。』(中小企業庁BCP策定運用指針より)

 

というものです。

ざっくりいいますと、BCPは、人・モノ・資金・情報が足りなくなるという状況の中で、短時間で対応できるようにするための計画です。

いざ事が起きたときにも倒産等に至らぬよう、平常時からBCPを周到に準備し備えておきましょう。

 

BCPの策定にあたっては、まず、

 

1.何が起きたのか(自社の被害や災害による自社への影響)

2.何が足りないのか(人、モノ、資金、情報)

3.何をいつまでにしなければならないのか

 

事態を想定して、解決策を考えていきます。

検討でのポイントは5つ、

 

1.重要商品(事業)の特定

2.復旧目標時間

3.取引先との予備協議

4.代替案の策定

5.従業員共有

 

です。緊急事態となればすべての事業や商品を維持するのは物理的に困難になることが一般的ですので、何を切り、何を残すか優先順位を明確にしていく必要があります。

 

計画書を作っていくにあたっての記載事項は、

 

1.基本方針の立案(目的)

2.重要商品の検討(優先順位)

3.被害状況の確認(現状認識)

4.事前対策の実施(改善策)

5.緊急時の体制整備(責任者)

 

を記載していきます。

これらが揃えば取り急ぎミニマムベースのBCPの完成です。

上記内容を網羅した、マニュアルが中小企業庁から出ています。

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/download/level_d/bcpent_01.pdf

 

簡易に読みながら策定できるよくできたものですので、初めてのかたはぜひご参照いただければと思います。(ばばっとやれば二時間程度で作れます)

 

本来はこんな騒ぎになる前にこしらえておくべきもので、起きてからでは遅いのですが、それでもやらないよりましです。(今後も地震や他の災害も十分考えられますし)

思考停止に陥らず、策を巡らすことがあなたの会社を守ります。